BFフルグラント南米の旅 (3)

佐藤謙蔵

 最初の訪問国ペルーでは、リマ市内サンボリアのLas Romaホテルに2006年3月26日〜31日まで滞在。実質5日間で、リマ市内のワイズメンズクラブの活動先を親善訪問、夜2度のクラブ歓迎懇談会、リマ市内YMCA本館と3箇所のセンターの活動見学をこなし、その合間に市内を会員の車で案内された。
 グティエレスさん、大塚さん両氏の組まれた日程で、サンボア地区ワイズの活動先、サラマンカ街にあるペルー国司法官M.S.Yanex氏(ワイズ会員)の私生児保育施設(生後〜小学生約80人収容)を見学。生活全般の完備された施設で数人の専従者を中心に施設で育った青年、Y’sメネットや地域住民が奉仕し支援していた。午後3時頃より重厚な感じの旧市街セントロ地域の案内を受ける。
 28日は終日リマYMCAスタッフとコロンビアからの研修生の案内で、早朝から市内にあるリマYMCA(現地ではACJと呼ぶ)とセントロ地区に近いNazares地区ACJのセンターでの青少年への教育活動を見学した。約1万uの屋外体育館、隣接した室内外2箇所のプールがあり、本館は中庭を持った5階建てで、70u位の集会室兼用ワイズの部屋があり、歴代YMCA館長とワイズ会長の写真が飾られ、そこで昼食し、午後2時半まで見学。午後からは多くの子供や学生達が利用していた。最後にリマ市北部山岳地帯(裸山で樹がない)のリマ市の恥部とされているインディペンデンス地区を車で見学。この地域は、ペルー北部砂漠地帯から移住してくる貧民が、ホームレス状態で次第に高所へと住み、リマ市や政府機関も野放しとの事で、YMCAではこの地域の支援としてサニタリー(主に簡易トイレを2年間隔で代替地に設置)の活動を続け、貧民ホームレス現場と麓にある医療薬剤の救急センター仮設地を見学し、政治問題化する狭間にある奉仕活動を垣間見た。
 その外、ワイズ活動としてリマ市南部地区での幼児から高校生までの軽度障害児学校見学では、日本からの訪問客が珍しいらしく、約100名の生徒席に準備した日本語で書かれた歓迎看板が印象的で、その施設の卒業生のギター等器楽演奏を交えての歓迎であった。北部海岸地区で発達障害を持つ青年達を社会復帰させようとしている、インドから来たマザーテレサ奉仕団体系の宣教師の活動を支援している施設も訪問した。
 リマ市内滞在中、4地域合同による歓迎例会がサンボア地区会長宅で行われた。通訳も用意されていて、日本のワイズの現況を簡単に報告した。アジアの活発なワイズ活動は認知していたものの、狭い国土に多くのクラブがある事が先ず愕きであったようで、南米地域ではまだ国情が不安定で、貧困問題を脱し得ない現状では、CS活動がクラブとYMCAへの支援が主流で、国際的にはTOF活動を度々行うことでの連帯に努力していて、BF/EFについて関心は薄く、今回の訪問に対する謝辞に終った。


[サラマンカ街にある私生児保育施設を訪問]


[大統領官邸前にて]


[リマYMCAナザレス地区センターの子どもたち]


[軽度障害児学校で日本語の歓迎看板]


[4地域合同の歓迎例会。左端下がコンハ氏、その後ろがコメットのマルタさん]