とうきょうメネット 12月号


イブの思い出

松田 薫

 クリスマスキャロリングは近年すくなくなりました。阿佐ヶ谷教会も今では近くの病院の前で歌う程度です。60年前は家々を廻って盛んに行われておりました。  我が家は教会に近かったので、いつもクリスマスイブには母は大きな鍋に豚汁を沢山作り、又炭火を真っ赤に熱し、イブの夜を盛り上げておりました。心を高く上げ体も温まり大きな声を張り上げて心から「主は来ませり」とイエス様のご降誕を祝ったものでした。今でもイブになると子供の頃のキャロリングを思い出します。


露崎さんからの手紙

「君、何故ここに廻されたかわかる?」「いいえ、ただ下腹が痛くて」「そんなのそのうちに治るよ。君、胆管癌だよ。胆門に腫瘍があるので肝臓の70%を取って、残り30%を胆管に繋ぐ。手術は7〜10時間位かな。その前に肝臓の門脈を塞栓する手術をする。もう一度CTを撮って診るので来週来てください」ギョロ目の松ちゃんよろしく痩せた島田先生のご宣託。「はあ」と言ったきりの私。何の感情も働かぬ自分がおかしかった。4年前悪性リンパ腫と言われた時のショックが強かったせいかもしれない。次週娘と一緒にがんセンターへ。「ああ、家族がいらして良かった。お話ししたように大手術になります。術後1ヶ月は静養の事、体力があるから手術はできますが、まあよく見つかったもんです。同意書にサインして下さい」無駄のない口調。この先生ならおまかせ出来る、と娘と話す。体調の悪い夫には「ちょっと検査の為入院する」と子供達と口裏を合わせる。
 暑い夏中ホテルのような快適なセンターで術後の静養が出来ると何冊か本を持ち込んだ。手術は成功したけれど術後こんなにも体が痛むとは。二週間食べ物一切受け付けず声も出ない。何もする気力なし。見込み違いだ。気があせる。そんな時、メネットの皆様から暖かい励ましのお手紙やお見舞いをいただきどんなにか慰められました事か。
 自覚症状がなく切り取られた肝臓は見事なレバーの塊。つややかでペーストにでもしたらさぞおいしかろうと。ようやく少しずつ食欲がでてきたし体重は? クリスマス祝会には是非出席し皆様と共に平和と中越震災復興の祈りを捧げたいと思っております。改めて皆様のご厚情をありがとうございました。
露崎昌枝


メネットノート

12/16(木) 東京北クラブメネットナイト
浅草ビューホテル 3階「祥雲」の間

会計報告
・11/9リーストコイン\ 1,076
累  計\10,298